六甲台テラス物語

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2007年 03月 28日

時空を越える往復書簡

いつだったか、何の雑誌か忘れたが、この2冊の小説が紹介されてた。
『風の盆恋歌』『天の夕顔』
この2冊に共通するのは、不倫と土地の舞台があることだ。
その雑誌にも、その共通点で紹介されてたと思う。

『天の夕顔』は、その雑誌を見てすぐに古本屋で手に入れれた。
かなり前なので内容は忘れてしまってる。
昭和29年初版。東京に住む学生と、京都の人妻の恋だったはず。
したためた、丁寧な溢れんばかりの恋文が切ないです。
またこの機会に読み返してみよう。

『風の盆恋歌』は、いままで探していたが出会えなく、先日、偶然に『これ面白いよ』
と戴いた。やっと出会えた。
昭和62年初版。学生時代を金沢で過ごした級友が、その中で黙ってはいたが
想う男女がいて、それぞれ違う人を結婚し、幸せに50歳まで暮らす。
でも、学生からの想いは消えず、富山・八尾の『おわら盆踊り』を舞台に燃え、
お互い命の消え行く処を求める。
学生時代にフタリで読んだ詩集を引用した手紙に大人の恋が絡んでました。

同じような内容の小説で、気に入って3回読み返した宮本輝の『錦繍』
ある旦那の事件がきっかけで離婚したフタリが、偶然に再会し、
お互い全く違う人生を歩んでいて、それぞれの想いや、なぜ別れたかの真実を
往復書簡で綴る小説。

メールは便利だし、気持ちも十分伝わると思う。ただ、ダイレクトなだけに返事を待つ。
手紙というのは、一方通行なモノだと思う。だから本音を綴れる。

天の夕顔の一文、

しかし考えてみれば、人間として、この世に生まれてきたことの寂しさのなかにあって
あの人に逢えたということは、それだけでもわたくしにはありがたく、
たとえようもない喜びに思われたのです。
世間には生まれてきて、そういう人にかつて生涯一度も逢わなかった人もたくさんいる。
むしろ多くの人はたいていそうであるかもしれない・・
そう思うと、自分の運命など決して不幸どころではないと思われたのです。
むしろ私は今までの神の意志に対して感謝しなければならない・・


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by rokkodaiterasu | 2007-03-28 22:48 | 読むモノ


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